トップ>国際結婚

国際結婚の法律手続

国際結婚とは、日本人と外国人の結婚です。国際結婚を行なう場合、以下の手続の確認が必要となりますので、一つずつご説明していきます。
 
   1.結婚の成立要件(実質的成立要件)
   2.結婚の方式(形式的成立要件)
   3.戸籍・氏、国籍、住民票・外国人登録の変更
   4.在留資格の取得、変更

1.結婚の成立要件 (実質的成立要件)

日本の法律では結婚する場合、以下の条件を満たす必要があります。これが結婚の成立要件です(民法731条~737条)。
 
1)婚姻適齢:男性は満18歳以上、女性は満16歳以上
2)重婚禁止:既に配偶者のある者は結婚できません。
3)再婚禁止期間:女性は前婚の解消・取消の日から6ヶ月を
     経過しなければ結婚できません。ただし、前婚の解消・
     取消の前から妊娠していた場合、その出産日以降は
     再婚可能となります。
4)近親婚等禁止:結婚相手が直系血族または3親等以内の
     傍系血族ではないこと。直系姻族間の結婚ではない
     こと。養親子間の結婚ではないこと。

なお、直系とは祖先から子孫へと直通する親族(祖父母、父母、子、孫など)です。 これ以外の親族(兄弟姉妹、伯叔父母など)を傍系と言います。また親等は本人・配偶者を起点とする世代数です。父母と子が1親等、祖父母・兄弟と孫が2親等、叔父叔母が3親等となります。こちらのWikipedia上の説明図が参考になりますが。3親等以内の傍系血族とは、自分と配偶者の父母の兄弟姉妹である叔父叔母、自分と配偶者の兄弟姉妹の子である甥姪があたります。

この成立要件は、結婚の実質的成立要件と呼ばれます。一方、後述する結婚の方式が形式的成立要件と呼ばれます。

そして、日本人と外国人が結婚するためには各当事者の本国が規定する成立要件を満たす必要があります。これは、国際結婚という私人間の法律関係を規定する「法の適用に関する通則法(以下、通則法)」の第24条に規定されています。

ここで韓国、中国、アメリカ、イギリスについて成立要件を日本の場合と比較してみました。特徴的なことは、婚姻適齢はある程度異なりますが、日本以外では再婚禁止期間が規定されていないことです。韓国も2005年の民法改正までは6ヶ月の再婚禁止期間がありましたが、民法改正により廃止されました。 米国は州により法律が異なりますので、ニューヨーク州とカリフォルニア州を例に挙げます。

婚姻適齢
重婚禁止
再婚禁止
近親婚禁止
日本
男18歳
女16歳
禁止
禁止
(6ヶ月)
直系血族、
三親等内の
傍系血族等
韓国
男18歳
女16歳

男女18歳
*改正民法
(桑田行政書士
ブログより)
規定なし
八親等内
の血族
中国
男22歳
女20歳
直系血族
四親等内の
傍系血族
アメリカ
ニューヨーク州
カリフォルニア州
男女18歳
尊属と卑属、
父母が同じ
兄弟姉妹、
叔父叔母と
甥姪
イギリス
男女16歳
直系血族、
直系姻族、
三親等内
の傍系血族

上の表では日本以外は再婚禁止期間は規定されていませんが、再婚禁止期間がある国としては以下があります。ただし、日本同様、出産後は再婚禁止期間の適用はありません。


    タイ:前婚解消後310日
    フランス:前婚解消後300日
    イタリア:前婚解消後300日 

また、上の表について、婚姻適齢のみは各当事者の本国法を満たせばよいとされていますが、婚姻適齢以外は当事者双方の国の要件を満たす必要があります。

例えば、イギリス人男性と日本人女性が結婚する場合、日本人女性の婚姻適齢は日本法により16歳以上、イギリス人男性の婚姻適齢はイギリス法により16歳以上となります。日本法の男性の婚姻適齢である18歳以上を満たす必要はありません。婚姻適齢は各当事者の本国法のみを満たせばよいからです。

一方、再婚禁止期間は当事者双方の本国法を満たす必要があります。日本の再婚禁止期間は6ヶ月ですが、タイ、フランス、イタリアは日本よりも長い期間となっています。したがって、双方の国の法律を満たすためには、より長い方の再婚禁止期間を経過することが必要となります。例えば、タイ人と日本人が結婚する場合、日本法の6ヶ月だけではなく、タイの法律により310日の再婚禁止期間の経過が必要となります。

なお、中国法では中国人と外国人が結婚する場合、婚姻挙行地法のみを適用することになります(中国民法通則法147条)。例えば、中国人と日本人が日本で結婚する場合、中国人の婚姻適齢も日本の婚姻適齢となります。したがって、中国人の婚姻適齢も男22歳、女20歳とはなりません。日本人同様に男18歳、女16歳となります。
  このように国際結婚の場合、双方の国の法律を確認する必要があります。お困りの際には当事務所にご相談ください。

 

では、以上のような成立要件を充たした場合に、どのような手続によって結婚するかについて、次の「結婚の方式」でご説明します。